夜の陰影までデザインされた家

外観のアクセントとして温かみとリズムを生み出す、木目調の「縦格子」。実はこの格子、外からの視線をやわらかく遮り、その内側にプライベートなウッドデッキ空間を創り出すための機能的なデザインです。閉じるべきは閉じ、開くべきは開く。都市の暮らしに、緑とプライバシー、そして心地よさをもたらす設計の工夫です。



LDKの主役となるのは、まるで美しい家具のような佇まいを持つアイランドキッチン。質感豊かなカウンターは、料理をするだけでなく、家族や友人が自然と集まるコミュニケーションの場となります。キッチン背面には大容量の壁面収納を設けることで、生活感を見せずに、いつでもすっきりと洗練された空間を保ちます。

実は、このLDKにはもう一つのテラスが。ダイニングの奥にも屋外空間を設けることで、家全体に光と風が通り抜ける、心地よい「風の通り道」が生まれます。季節の良い日には前後の窓を開け放ち、自然の空気に包まれながら過ごす、そんな健やかな日常をご提案します。


夜、室内は「光と影の芸術」を愉しむための舞台へと変わります。キッチンカウンターを照らす柔らかなペンダントライト、壁の質感をドラマチックに浮かび上がらせる間接照明。ただ明るくするのではない、計算され尽くした光の配置が、空間に深い落ち着きとホテルライクな上質感を演出します。


夜、この住まいは照明デザインによって、もう一つの顔を見せます。そのハイライトは、外壁を一枚の「キャンバス」に見立てた光の演出。ライトアップされた植栽の有機的な影が壁に映し出され、建物に生命感と深い趣を与えます。それはプライベートな中庭でも同様で、昼間とは違う幻想的な雰囲気に包まれながら、穏やかな夜の時間を過ごせます。
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