2025.7.10
「家族が集まるLDKは、できるだけ広く、開放的にしたい」 家づくりにおいて、多くの方がそう願うのではないでしょうか。しかし、ただだだっ広いだけの空間は、時に落ち着かず、どこか間延びした印象を与えてしまうこともあります。
では、壁で空間を仕切ることなく、それぞれの場所に「心地よい居場所感」を生み出すには、どうすれば良いのでしょうか。その答えは、意外な場所に隠されています。そう、私たちが普段あまり意識することのない「天井」です。
今回は、天井のデザインを巧みに操ることで、LDKという一つの大きな空間に、豊かな表情と上質なリズムを生み出した一邸をご紹介します。注文住宅だからこそ実現できる、空間づくりの奥深い世界へご案内します。
まず、このLDKの主役ともいえるキッチンをご覧ください。まるでインテリアショップのディスプレイのように、洗練された存在感を放っています。この特別な雰囲気を演出している最大の功労者が、キッチン上部を一段低く設えた「折り下げ天井」です。
天井に敢えて高低差をつけることで、空間に立体的なメリハリが生まれます。これにより、キッチンは単なる作業場所ではなく、家族のために腕をふるうシェフのための特別な「舞台」として、その領域が緩やかに定義されるのです。
さらに、折り下げた天井の木目調パネルと、壁との間に間接照明(コーブ照明)を仕込むことで、夜には柔らかな光が天井をふわりと照らし、上質でムーディーな雰囲気を醸し出します。コンクリートやモールテックスを思わせる、重厚でクールな質感のキッチン本体と、天井の温かみのある木目。この素材感の美しいコントラストも、空間全体を引き締め、デザインに深みを与えています。
毎日立つキッチンが、こんなにもドラマチックな場所だったなら。日常の家事の時間さえ、少しだけ特別なものに感じられるのではないでしょうか。
この家の設計の妙は、キッチンだけに留まりません。LDK全体を見渡していただくと、設計士が意図した「直線のデザイン」が、空間全体に心地よい秩序と広がりをもたらしていることにお気づきになるでしょう。
キッチン上部の木目調の天井は、そのままダイニングスペースの上まで、すうっと真っ直гуに伸びています。この力強い一本のラインが、見る人の視線を自然と部屋の奥へと導き、空間にさらなる奥行き感を与えてくれます。そして、この天井板はまるで宙に浮いているかのように軽やかにデザインされており、重厚なキッチンとの対比で、空間に抜け感を生み出しています。
一方、リビングスペースの天井には、構造体とは別にデザインとして設えた「化粧梁(見せ梁)」が。こちらもまた、ダイニングへと伸びる天井のラインと並行に走ることで、LDK全体に統一感のあるリズムを生み出しています。
壁で区切られているわけではないのに、「ここはキッチン」「ここはダイニング」「ここはリビング」と、それぞれの居場所が自然と感じられる。この不思議な感覚は、天井に描かれた見えない境界線=「ラインのデザイン」が、私たちの意識に優しく働きかけているからなのです。
陽光が降り注ぐ昼間の開放的な表情から一転、夜、このLDKは全く違う顔を見せます。その変貌の鍵を握るのが、緻密に計算された照明計画です。
近年、住宅照明の考え方は「一室一灯」から「一室多灯」へと変化しています。一つのシーリングライトで部屋全体を煌々と照らすのではなく、複数の照明を適材適所に配置し、光と影を巧みに操ることで、空間に陰影と落ち着きを生み出すのです。
このLDKでは、
食事の時はダイニングを明るく、食後はリビングで少し照度を落として映画を観る。そんな風に、暮らしのシーンに合わせて照明を使い分けることで、時間や気分に合わせた、自分たちだけの心地よい空間を創り出すことができます。
このような、細部に至るまで計算され、統一感のある美しい空間は、どのようにして生まれるのでしょうか。 玉善では、熟練の設計士が設計図面を作成するだけでなく、照明やクロス、カーテンといったインテリアコーディネートまで、責任を持って自ら手がけるのが基本のスタイルです。お客様の理想の暮らしを丁寧にヒアリングし、プロの視点から、時にはお客様も気づかなかったようなアイデアをご提案する。設計士が「二人三脚のパートナー」として家づくりの全工程に寄り添うからこそ、デザインに一貫性のある、本当にご満足いただける住まいが完成するのです。
玉善では愛知県内に常時100棟以上の分譲住宅を販売しておりますので、玉善で注文住宅をご検討されるお客様は、リアルサイズのモデルハウスを多数ご見学いただけます。どんな場所にどんな建物があるのか、下の地域から是非チェックしてみてください!
受付時間: AM9:00〜PM6:00