堂々とした佇まいと安らぎの空間がある家

敷地の広さを最大限に活かした、ワイドな間口がもたらす堂々とした佇まい。1階部分にあしらった石調タイルの重厚感と、2階部分の木目調格子が創り出す軽やかさが絶妙に調和し、住まいに揺るぎない安定感と品格を与えます。深く伸びる軒(のき)のデザインも、建物に陰影と趣を添える美しいアクセントです。

誰もが憧れる、陽当たりの良い「南側道路」の土地。その“明るさ”は最大限に活かしつつ、課題となる“プライバシー”をどう守るか。その答えとして、私たちは日本古来の建築意匠である「縦格子」を採用しました。外部からの視線は巧みに遮りながら、心地よい光と風だけを室内に届けてくれます。

LDKをより広く、上質に見せる「折り上げ天井」。その内側に間接照明を仕込むことで、天井面を優しく照らし、柔らかな光が空間全体を包み込みます。天井の開放感と、光の陰影が相まって、家族がくつ-ろぐリビングに、ホテルライクな落ち着きと奥行き感をもたらします。

リビングの隣には、空間のアクセントとなる「小上がりの和室」を設けました。LDKと繋がりながらも、床に高さを設けることで空間を緩やかにゾーニング。段差に気軽に腰掛けられるので、家族や友人が自然と集まり、ソファの周りだけでなく、思い思いの場所でくつろげるコミュニケーションの場になります。

バルコニーの縦格子は、美しいデザイン性だけでなく、暮らしを快適にする多くの役割を担っています。外部からの視線を遮りプライバシーを守りながら、心地よい光と風は通す。強い日差しを和らげ、雨の吹き込みも軽減してくれる、考え抜かれた設計です。

あえて部屋を奥まらせることで生まれた、広々としたインナーバルコニー。高い壁が外部からの視線を完全に遮断し、まるで空だけを切り取ったプライベートな「中庭」のような空間です。室内にはたっぷりの光を届けながら、人目を気にせず、安心して空を見上げることができます。
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