2025.10.2
広々とした開放的なLDKは、家族が自然と集まる、現代の家づくりの中心です。しかし、暮らしの中では、「少しだけ集中したい」「ゲストが泊まる部屋が欲しい」「子供のおもちゃがリビングに散らかるのを何とかしたい」といった、”個室”が欲しくなる瞬間も、また必ず訪れるものです。
「広さ」と「プライベート感」。この、時に相反する二つの願いを、美しく、そして賢く両立させる設計のアイデアがあります。それが、日本の住まいが古くから育んできた「続き間(つづきま)」という知恵を、現代の暮らしに合わせて進化させた空間づくりです。
今回は、リビングの隣に、もう一つの部屋を設えることで、暮らしの可能性を無限に広げた二つの住まいをご紹介します。
「続き間」とは、その名の通り、メインの部屋(今回はリビング)に隣接し、引き戸などの大きな建具で仕切られた部屋のことを指します。
その最大の魅力は、扉の開け閉め一つで、空間の役割を劇的に変えられること。
扉を開け放てば、リビングと一体となった、さらに広大な空間が生まれます。友人をたくさん招いてのホームパーティーなどにも、余裕をもって対応できるでしょう。
そして、扉を閉めれば、そこはLDKから独立した、静かなプライベート空間に早変わり。
この「変幻自在」な性質こそが、家族の成長やライフスタイルの変化に、しなやかに対応できる住まいを実現する鍵なのです。
今回は、同じ「続き間」でも、趣の異なる2つのバリエーションを設計しました。
【Case 1:モダンで多機能な「洋室の続き間」】
まず一つ目は、LDKと床材を統一した、モダンな洋室の事例です。シックなダークウッドのフローリングが、リビングからシームレスに繋がり、扉を開けたときの一体感は格別です。この一部屋があるだけで、暮らしに様々なシーンが生まれます。
書斎として: テレワークのための、静かで集中できるワークスペースに。
キッズスペースとして: お子様専用の遊び場にすれば、おもちゃがリビングに散らかるのを防げます。扉を閉めれば、急な来客時も安心です。
ファミリークロークとして: 家族全員の衣類や季節家電などをまとめて収納する、大型のウォークインクローゼットとしても活用できます。LDKのすぐ隣にあるため、生活動線が非常にスムーズになります。
【Case 2:多目的に使える、心地よい「和室の続き間」】
もう一つは、リビングに対して二方向の扉で開くことができる、開放的な和室の事例です。畳の柔らかな感触と、い草の香りは、洋室にはない、独特の落ち着きと安らぎを与えてくれます。
お昼寝スペースとして: 畳は、小さなお子様のお昼寝に最適な場所。親はLDKで家事をしながら、すぐそばで眠るお子様の様子を見守ることができます。
客間として: 扉を閉めてお布団を敷けば、そこはゲストが心からくつろげる、プライベートな寝室に。
家事室として: 洗濯物を畳んだり、アイロンがけをしたり。ちょっとした家事をするのにも、畳のスペースは重宝します。
洋室か、和室か。どちらのスタイルを選ぶかで、暮らしの愉しみ方も変わってきます。あなたなら、どちらの「続き間」を選びますか?
優れたデザインは、こうした間取りの工夫だけでなく、空間の隅々にまで宿ります。
このお住まいでは、階段もまた、単なる上下階を繋ぐための設備ではなく、空間を彩る「見せるインテリア」としてデザインされています。
リビングから見える階段は、踏板を支える「蹴込板(けこみいた)」にあえてダークな色を採用。この黒いラインが、空間全体をキリっと引き締める、美しいアクセントになっています。LDK全体のモダンな雰囲気に調和させながら、さりげなく個性を主張する。設計士の遊び心が光るディテールです。
暮らしの「今」に必要な機能と、将来の「変化」に対応する柔軟性。
その両方を叶えてくれる「続き間」は、注文住宅でぜひご検討いただきたい、豊かな暮らしのためのアイデアです。
私たち玉善は、お客様一人ひとりのライフスタイルを想像し、こうしたプラスαの空間がもたらす価値を、一つひとつ丁寧に設計していきます。
玉善では愛知県内に常時100棟以上の分譲住宅を販売しておりますので、玉善で注文住宅をご検討されるお客様は、リアルサイズのモデルハウスを多数ご見学いただけます。どんな場所にどんな建物があるのか、下の地域から是非チェックしてみてください!
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