2025.9.18
階段のない、ワンフロアの暮らし。地面との距離が近く、庭の緑や空の広がりを身近に感じられる「平屋」。そのシンプルで無駄のない佇まいは、近年、世代を問わず多くの人々を魅了しています。
それは、ただ機能的なだけでなく、「自分らしく、穏やかに暮らしたい」という願いを、静かに、そして確かに叶えてくれる、器としての魅力に溢れているからかもしれません。
では、その平屋を、かけがえのない家族の一員である、愛するペットと共に暮らすための住まいとしてデザインすると、どのような空間が生まれるのでしょうか。
今回は、おひとりと一匹の猫が、心から安心して快適に暮らすために、隅々にまで知恵と愛情が込められた、美しい平屋の住まいをご紹介します。
この住まいの心地よさは、敷地に足を踏み入れた瞬間から始まります。 まず、設計士は土地の形状と周辺環境を丁寧に読み解きました。通りに面した西側ではなく、隣家と距離を取れる南側を、庭を兼ねたメインのアプローチに。この配置により、家の中心で
あるLDKに、プライバシーが守られた豊かな光を届けることができます。
深く、そして美しく張り出した「軒(のき)」は、この家のデザインの要です。雨の日でも濡れることなく玄関まで歩ける機能性はもちろん、夜には軒裏に埋め込まれたダウンライトが、アプローチを優しく照らし、住む人を温かく迎え入れます。上質さを感じさせる木目調の軒裏(軒天)のデザインも、設計士の密かなこだわりです。
玄関の扉を開けると、そこには、単なる靴の脱ぎ履きだけではない、豊かな時間を感じさせる空間が広がります。正面に設えられたのは、ベンチを兼ねた大容量の玄関収納。腰掛けるのにちょうど良い高さに設計されており、ブーツを履くときなども、楽に体を支えることができます。壁には、石のような豊かなテクスチャーを持ちながら、傷や汚れに強い「グラビオエッジ」という素材を採用。デザイン性とメンテナンス性を両立させています。
この家のもう一人の主役である、猫。大切な家族が、安全に、そしてストレスなく過ごせるように、随所に特別な工夫が凝らされています。
・足元への配慮 LDKの床材には、猫が走り回っても滑りにくく、爪による傷もつきにくい特殊な加工が施されたフローリングを採用。活発な猫の足腰への負担を和らげます。
・壁や窓への工夫 壁紙も、猫の爪による引っかき傷に強いタイプを選びました。また、猫がじゃれたり、爪を立てたりしがちなカーテンの代わりに、スッキリとしたロールスクリーンを採用。こうした小さな工夫の積み重ねが、オーナーの「困った」を未然に防ぎ、大らかな気持ちで猫との暮らしを愉しむ余裕を生み出します。
・自由な動線の確保 そして、猫と暮らす家ならではの、象徴的なアイテムが「ペットドア」です。リビングと寝室を仕切る扉に、猫が自由に行き来できる専用の通り道を設けました。これにより、人間が扉を閉めていても、猫は家の中を自由にパトロールでき、快適な居場所を自分で見つけることができるのです。
この住まいの心地よさの秘密は、間取りにも隠されています。 この家では、扉をすべて「引き戸」で設計。さらに、リビングダイニング、キッチン、寝室、洋室を、漢字の「田」の字のように配置する、伝統的な「田の字プラン」を採用しました。
これにより、すべての引き戸を開け放つと、家全体がワンルームのような、大きな一つの空間になります。それぞれの部屋のプライバシーは確保しながら、必要な時には圧倒的な開放感を手に入れることができるのです。
この開放感をさらに高めるのが、窓に採用された「採風タイプ」のシャッターです。夜間や外出時など、窓を閉めてシャッターを下ろした状態でも、ブラインドのように羽の角度を調整することで、外からの視線を遮りながら、家の中に風を通すことができます。
引き戸を開け放ち、採風シャッターから入る心地よい風が、家全体を爽やかに通り抜けていく。それは、人も猫も、同じように心地よさを感じられる、平屋ならではの豊かな暮らしのワンシーンです。
いかがでしたでしょうか。 住む人への思いやり。そして、共に暮らす猫への愛情。その両方が、設計士の知識とアイデアを通して、一つひとつの素材選びや、間取りの工夫となって結実しています。
私たち玉善は、お客様一人ひとりの、そして大切なペットの暮らしにも寄り添い、家族みんなが幸せになれる家づくりをお手伝いします。
玉善では愛知県内に常時100棟以上の分譲住宅を販売しておりますので、玉善で注文住宅をご検討されるお客様は、リアルサイズのモデルハウスを多数ご見学いただけます。どんな場所にどんな建物があるのか、下の地域から是非チェックしてみてください!
受付時間: AM9:00〜PM6:00