2025.7.24
注文住宅の家づくりにおいて、キッチンは多くの方が特にこだわりたいと願う場所の一つです。単に料理をするための設備ではなく、家族と会話を交わすコミュニケーションの場であり、時には一人で集中して作業をするパーソナルな空間でもあります。
だからこそ、キッチンのデザインは、そこに立つ人の個性や美意識を映し出す、いわば「住まいの顔」ともいえる重要な要素なのです。
今回は、デザイン性の高い2つのキッチンを例に、壁面を彩る「タイル」選びと、空間の印象を決定づける「カラーコーディネート」という2つのアプローチから、あなただけの理想のキッチンを創り上げるヒントをご紹介します。
システムキッチンが主流となり、機能性が格段に向上した現代において、空間の印象を大きく左右するのが「壁面」のあしらいです。中でも、私たち設計士がお客様によくご提案するのが、多彩な表情を持つ「モザイクタイル」です。
モザイクタイルとは、小さなピースを組み合わせて模様を描くタイルのこと。その魅力は、なんといってもデザインの自由度の高さにあります。
では、実際の事例を見ていきましょう。
【事例1:光と戯れる、ガラスモザイクのきらめき】 まずご覧いただきたいのは、明るい木目調のキッチンに、ブラウン系のガラスモザイクタイルを合わせた事例です。ガラスという素材が持つ透明感と、一つひとつのピースの表面で光が不規則に反射する様子が、壁面に宝石のようなきらめきと奥行き感を与えています。
特に、このキッチンでは吊戸棚の下に間接照明を仕込んでいるため、光がガラスタイルを優しく照らし、その美しさを一層引き立てています。さらに、ダイニングを照らすペンダントライトにもガラス製のシェードを採用。素材感をリンクさせることで、空間全体に統一感が生まれ、光が互いに反射し合う、エレガントで華やかなキッチンが完成しました。
理想の空間を創るもう一つのアプローチが、テーマとなる「色」を決めて、それを軸にコーディネートしていく手法です。色には、空間の印象を引き締めたり、特定の雰囲気を強調したりする力があります。
【事例2:黒で統一された、プロフェッショナルな空間】 こちらは、黒を基調としたL型のキッチンです。扉材やカウンターにマットな質感の黒を選ぶことで、まるでプロの料理人の厨房のような、モダンで重厚感のある雰囲気が生まれています。
壁面には、黒とグレーを組み合わせたシックなモザイクタイルを配置。そして、この空間の完成度を決定づけているのが、水栓や照明といったパーツの色選びです。
・デザインと機能を両立する「グースネック水栓」 優雅な曲線を描く「グースネック水栓」は、その名の通り、ガチョウ(グース)の首のようなフォルムが特徴です。デザイン性が高いだけでなく、吐水口の位置が高く、シンクスペースを広々と使えるという大きなメリットがあります。深さのある寸胴鍋や大きなフライパンも楽に洗えるため、料理好きな方には特におすすめです。この事例では、空間のテーマカラーに合わせて、マットブラックの水栓をセレクトしました。
水栓、そしてペンダントライトのシェードにも「黒」をリフレイン(繰り返し使う)することで、空間全体にブレのない一体感が生まれます。細部のパーツまで色にこだわる。この小さな心配りが、ありきたりではない、洗練された空間を生み出す秘訣なのです。
今回ご紹介した2つのキッチンは、デザインの方向性こそ異なりますが、どちらも「好きな素材」や「好きな色」を軸に、住まう人の個性を表現しているという点で共通しています。
注文住宅の素晴らしいところは、この無数の選択肢の中から、あなただけの「好き」を自由に組み合わせ、世界に一つだけのキッチンを創り上げられることです。 「どんなタイルがあるんだろう?」「このキッチンには、どんな色の水栓が合うかな?」 そんな風に、一つひとつ悩みながら選んでいく時間も、家づくりの忘れられない思い出になるはずです。
私たち玉善の設計士は、お客様の理想の暮らしや好みを丁寧にヒアリングし、プロの視点から最適な素材や色の組み合わせをご提案する、家づくりのパートナーです。毎日立つ場所だからこそ、心から愛せる、とっておきの空間を一緒に創り上げていきませんか。
玉善では愛知県内に常時100棟以上の分譲住宅を販売しておりますので、玉善で注文住宅をご検討されるお客様は、リアルサイズのモデルハウスを多数ご見学いただけます。どんな場所にどんな建物があるのか、下の地域から是非チェックしてみてください!
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