利便性の高い街なかで、自分たちらしい暮らしを叶えたい。 そう考えたとき、多くの人が直面するのが、都市型住宅ならではの課題です。隣家との距離、プライバシーの確保、防犯面への配慮、そして限られた敷地での開放感の創出……。

「たくさんの制約があって、思い通りの家づくりは難しいかもしれない」 もし、あなたがそう感じているなら、ぜひこのお話にお付き合いください。なぜなら、家づくりにおける“制約”は、時として、ありきたりな発想を飛び越え、他にはない個性的で豊かな住まいを生み出す、最高のきっかけになり得るからです。

今回は、利便性の高い中心市街地に建てられた、美しい二棟の住まいを例に、都市の課題を魅力へと昇華させる設計の工夫、特に「窓」のあり方を巡る物語をご紹介します。

リビングの常識を疑う。「掃き出し窓」のない暮らし

家づくりにおいて、リビングの窓は「大きくて開放的な掃き出し窓」というのが、長年のセオリーでした。しかし、本当にそれが都市の暮らしにとって最適解なのでしょうか。

設計士はまず、土地の状況や周辺環境を徹底的にリサーチすることから始めます。「隣家からの視線が気になるから、結局一日中カーテンを閉めっぱなし」「防犯のためにシャッターを下ろすと、部屋が暗くなり、外観も美しくない」。これが、都市の掃き出し窓が抱えがちな現実です。

そこで、私たちは常識を一度リセットし、全く新しい発想で窓をデザインしました。それが、この家の外観を何よりも印象付けている「縦スリット窓」です。

細長いガラスをリズミカルに連続させたこの窓は、

• 視線を、心地よく遮る。 外からの視線を効果的にカットしてくれるため、昼間はカーテンを開け放して、思う存分くつろぐことができます。
• 防犯性を、高める。 人が侵入しにくい形状は、デザイン性だけでなく、日々の安心感にも繋がります。
• 外観を、美しく彩る。 シャッターのない美しい窓辺は、建物全体のデザイン性を格段に向上させ、街並みに映える個性的なファサードを創り出します。

無理に大きな開口部を設けるのではなく、洗練された縦スリット窓と、それに合わせたバーチカルブラインドを組み合わせる。この選択が、都市の暮らしに「プライバシー」と「開放感」という、相反する要素を見事に両立させてくれるのです。

光のマジック。暮らしを彩る、一筋の光

この縦スリット窓がもたらす最大の贈り物は、日中のリビングで体験できる「光のマジック」です。

太陽の角度が変わるにつれて、幾筋もの光のラインがリビングの床をゆっくりと滑るように移動していく。その光景は、まるで自然が描くアートのよう。何気ない日常の中に、思わずハッとするような美しい瞬間を生み出し、暮らしに潤いを与えてくれます。細長い窓から差し込む光は、部屋の奥まで届きやすく、空間に奥行き感をもたらす効果もあります。

さらに、この住まいでは「光の質」そのものにもこだわりました。リビングやダイニングの天井照明の一部には、光源が直接目に入りにくい「グレアレスタイプ」のダウンライトを採用。眩しさを抑えた柔らかな光が、夜のリラックスタイムをより上質なものへと演出してくれます。

暮らしの質は「玄関」と「細部」に宿る

豊かな暮らしは、印象的なリビングだけで完結するものではありません。毎日使う場所の心地よさや、ふとした瞬間に気づく細やかな配慮が、住まいへの愛着を育みます。

・美しさと機能性を両立した「ウォークスルー玄関」 お客様を迎える家の顔であり、家族が毎日出入りする玄関。ここには、土間スペースを広く取り、奥のシューズクロークへと通り抜けられる「ウォークスルー動線」を取り入れました。家族は奥の収納に靴やコートをしまい、そのまま室内へ。そのため、お客様が使う手前の玄関は、いつでもスッキリと美しい状態を保つことができます。アクセントウォールや間接照明が、ホテルライクな上質感を演出します。

・空間に溶け込むコーディネート ふと壁に目をやると、エアコンがお部屋の雰囲気に合わせた色合いだったり、コンセントプレートが壁紙の色に馴染んでいたり。こうした「神は細部に宿る」ともいえる細やかな工夫の積み重ねが、空間全体のノイズを消し、洗練された統一感を生み出しているのです。

都市の暮らしを広げる「プラスαの空間」

限られた敷地を最大限に活用するアイデアとして、この二棟の住まいには、廊下の階段からアクセスできる5.5畳ほどの「ロフト」が設けられています。

ここは、リモートワークのための集中できる書斎として。あるいは、趣味の道具を広げるアトリエとして。もちろん、季節物などを収納する大容量のストレージとしても大活躍します。暮らしの基本スペースに加えて、こうした多目的に使える「プラスαの空間」があることは、都市の暮らしに大きなゆとりと可能性をもたらしてくれるでしょう。

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都市の住まいづくりは、パズルのように条件をクリアしていく作業だと思われがちです。しかし、ご覧いただいたように、その制約を創造力の源泉とすることで、機能的でありながら、他にない美しさと豊かさを備えた住まいを生み出すことができます。

玉善では、設計士がお客様一人ひとりの土地が持つ個性と、思い描く暮らしに真摯に向き合い、オンリーワンの答えを導き出します。

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玉善では愛知県内に常時100棟以上の分譲住宅を販売しておりますので、玉善で注文住宅をご検討されるお客様は、リアルサイズのモデルハウスを多数ご見学いただけます。どんな場所にどんな建物があるのか、下の地域から是非チェックしてみてください！